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AI活用・業務効率化約11分で読めます

AI業務効率化の事例|展示会ポータルと業務システムを1人で回す実録

AIで業務効率化した事例を知りたい中小企業向けに、展示会ポータルBizExpo.jp(月間PV5,000超)と自作の業務システムを1人で運営する私の実例を業務別の表で公開。AIに任せる部分と人が判断する部分、組織に広げる際の注意点を整理しました。

AIによる業務効率化は、他社の成功事例を眺めるより、「自分の業務のどこをAIに任せ、どこを自分で判断するか」を具体的に線引きした実例を見るほうが判断しやすくなります。私は展示会ポータル「BizExpo.jp」(月間PV5,000超)と、会議・顧客・タスク管理を備えた自社の業務システムを、AIを使って1人で企画・開発・運営しています。この記事では、その業務を企画・開発・画像作成・計測・問い合わせ対応などに分解し、AIに任せている部分と私が判断している部分を表にして公開します。あわせて、帝国データバンクの調査に出てくる「効果は実感しているが、使いこなしに格差がある」という課題を踏まえ、1人でできたことを組織に広げるときの注意点も書きます。

従業員5〜100名規模の会社で、「AIで業務効率化の事例を見たが、うちに当てはまるか分からない」と感じている経営者・事業責任者の方に向けた記事です。

AI業務効率化の事例が「他社の話」で終わってしまう理由

まず、中小企業の現状を数字で押さえておきます。帝国データバンクが2026年5月に発表した調査(調査期間2026年3月17〜31日、全国23,349社対象・10,312社回答)では、業務で生成AIを活用している企業は34.5%でした。大企業46.5%に対して中小企業32.4%、小規模企業28.0%と、規模が小さくなるほど低くなります。一方で、活用している企業の9割近くが効果を実感しており、課題として「情報の正確性への懸念」と「従業員間の使いこなし格差」が挙がっています。

また、ラクスルが2026年7月に発表した従業員2〜100名の中小企業300名への調査では、中小企業のAI活用は「個人の業務効率化」にとどまっていると指摘されています。

この2つを並べると、構図が見えてきます。使えば効果はある。ただし、使えている人と使えていない人の差が大きく、会社の仕組みにはなっていない会社が多いということです。

私の場合も、スタート地点は「個人の業務効率化」でした。この記事の事例は「一人の人間がどこまでAIに任せられたか」の記録として読み、個人の工夫を組織に広げる際の注意点は後半で確認してください。

私がAIで回している2つの業務の全体像

私はもともと大手企業で営業を経験し、その後ベンチャーで事業が0から100億円に伸びる過程を営業・企画の立場で経験しました。さらに0から10億円規模の新規事業を立ち上げ、運営してきました。一方で、プログラミングは学ぼうとするたびに挫折してきた非エンジニアです。詳しい経歴は運営者紹介に書いています。

その私がAIで運営しているのが、次の2つです。

  • 展示会ポータル「BizExpo.jp」: 2026年7月5日に開発を開始。企画・開発・運営まで1人で行っています。約3か月後の2026年9月8日〜10月7日の直近30日のGA4実測では、表示回数5,952、セッション約3,100、平日1日のセッション約260でした。サイト上では切り捨てて「月間PV5,000超」と表記しています。Next.jsとVercelで動いています。
  • 自社の業務システム: 2026年7月に、会議管理・顧客管理・タスク管理を備えたB2B向けの業務システムをAIだけで作り、自社の事業運営で実際に使っています。

どちらも、使っているAIはClaudeとCodexです。ターミナル(文字で指示を出す画面)で動く「AIエージェント」と呼ばれる種類のツールで、私が日本語で指示を出すと、AIが実装・検証・公開作業までを進めます。AIエージェントの仕組みは別記事AIエージェントとは何かで詳しく書いています。

コードは一行も書いていません。私がやっているのは「日本語で正しく頼む」ことと、「出てきたものを確認して判断する」ことです。

業務別:AIに任せている部分と私が判断する部分【一覧表】

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。2つの業務を構成している作業を分解し、AIに任せている部分、私が判断している部分、時間の感覚を表にしました。数字での削減率は出しません。実測していないものを推定で書くと、読者の判断を誤らせるからです。

業務 AIに任せている部分 私が判断・実行する部分 時間の感覚
企画・要件整理 私の思いつきを質問で掘り下げ、機能一覧や画面構成の案にまとめる 何を作るか、何をやらないかを決める。優先順位を付ける ここに一番時間をかける。まとまった時間を取って考える
開発・実装 画面や機能のコードを書く、エラーの原因を調べて直す、公開作業をする 動作を確かめる。想定と違う挙動を言葉で伝える 一画面・一機能ならその日のうちに動く形になる
デザイン 複数のデザイン案を作る、指示に沿って配色や余白を調整する 「AIで作ったサイトっぽい」見た目を排除する制約を決め、採否を判断する 案出しは速いが、納得できる案に着くまで何度もやり直す
画像作成 サイトで使う画像の一部を生成する 使う画像を選ぶ。AI生成であることをサイト上に明示する 生成自体は短時間。選定と表記の確認に時間を使う
計測・分析 GA4やSearch Consoleの設定、キーイベント(成果地点)の設定 どの数字を見るかを決める。公開する数字は実測値だけ・切り捨てで出す 設定はその日のうちに終わる。数字を見る習慣づくりは継続
問い合わせ対応 問い合わせフォームの保存・通知の仕組みを作る。返信文の下書きを整える 内容を読んで対応方針を決める。送信前に内容を確認する 仕組み作りは一度きり。対応は自分の時間で行う
日々の改善 使っていて不便だった点を、指示に沿って修正する 不便を見つけて言葉にする。直し終わったものを確認する 気づいたその日のうちに直す

表を見ていただくと、AIに任せられたのは「作る」「まとめる」「下書きする」で、私に残ったのは「決める」「確かめる」「責任を持って出す」だと分かります。この線引きは、業務が変わっても大きく変わりませんでした。

事例1:展示会ポータルの企画・開発・運営をAIと1人で行った記録

企画は、AIに質問させて自分で決める

BizExpo.jpの企画段階で私がやったのは、「展示会を探す人が困っていることは何か」「どの情報が一覧で見られると便利か」を、AIとの対話で言葉にしていくことでした。AIには「私の考えを質問で掘り下げてほしい」と頼み、出てきた案のうち何を採用するかは自分で決めました。

ここで学んだのは、「何を作るか」を決めるのが本丸だということです。AIは案を出すのは得意ですが、「この機能はやらない」と決めるのは私の仕事でした。

開発は、一画面ずつ日本語で頼む

最初は、トップページから検索、詳細ページ、問い合わせまで一度に全部作ろうとして止まりました。指示が長くなり、AIの出力も確認しきれなくなったからです。そこで一画面・一機能ずつに切り替えました。「展示会の一覧を表示する画面を作ってください。項目は名称、会期、会場です」というように、範囲を絞って頼むと、その日のうちに動く形になります。

専門用語の壁にもぶつかりました。AIの回答に知らない言葉が並ぶと手が止まります。これは「その言葉を使わずに説明してください」と頼むことで解決しました。この一言で、非エンジニアでも会話が続くようになります。

画像はAIで作り、「AI生成」と明示する

サイトで使う画像の一部はAIで生成しています。ただし、生成した画像にはサイト上で「AI生成」と明示しています。閲覧者に誤解を与えないための、私なりのルールです。

計測は「盛らない」ルールで運用する

GA4とSearch Consoleの設定は、AIに手順を教わりながら進めました。ここで決めたルールが「実測値だけを使い、切り捨てで出す」です。GA4の表示回数は5,952でしたが、サイト上では「月間PV5,000超」と表記しています。AIが出してくる推定値や、もっともらしい数字をそのまま載せないためのルールです。

問い合わせ対応は、仕組みをAIに、判断を自分に

aisoudan.jp自体の問い合わせフォームは、送信内容をCloudflare D1というデータベースに保存し、Resendというサービスでメール通知を受け取る仕組みを、AIと一緒に設定しました。問い合わせへの返信方針を決めるのと、送信前の確認は自分で行います。【要確認:BizExpo.jp側の問い合わせ対応の実際の流れについて本人の実体験を追記】

事例2:会議・顧客・タスク管理の業務システムを自作した記録

もう一つの事例は、自社の事業運営に使う業務システムです。2026年7月に、会議管理・顧客管理・タスク管理を備えたものを、ClaudeとCodexだけで作りました。

いちばん心細かったのは、最初の環境準備です。ツールを動かせる状態にするまでは、何をしているのか分からない時間が続きました。ここは、分からない言葉が出るたびに「その言葉を使わずに説明して」と頼んで乗り切りました。

作ってから一番良かったのは、「使いながら直せる」ことです。実際に会議の記録を入れていると、「この項目はいらない」「ここに一覧がほしい」といった不便が見つかります。それを気づいたその日のうちにAIに頼んで直します。外部に頼んでいたら、見積もりと納期の調整が必要になる変更です。この「自分たちで直せる」価値については、別記事AI開発の費用と内製・外注の判断でも触れています。

一方で、「何を管理したいか」が曖昧なまま作ると、使われないものになります。私の場合も、何を作るかを決める時間のほうが、作る時間より長くかかりました。

1人でできたことを組織に広げるときの注意点

ここまでの事例は、私一人の判断で動かしている業務です。帝国データバンクの調査が指摘する「従業員間の使いこなし格差」と「情報の正確性への懸念」は、個人の工夫を組織に広げるときに表に出てきます。私自身の経験から、注意点を3つ挙げます。

1. 「任せる部分」と「判断する部分」を先に決める

私の表で言えば、「作る・まとめる・下書きする」はAI、「決める・確かめる・出す」は人、という線引きです。これを個人の感覚に任せたままにすると、ある人はAIの出力をそのまま社外に出し、別の人は怖くて使わない、という格差が生まれます。線引きを文章で共有することが、格差を小さくする第一歩になります。

2. 数字と情報を出すときのルールを決める

私が「実測値だけ・切り捨て」というルールを決めたのは、AIがもっともらしい数字を出してくるからです。組織で使う場合は、「AIが出した数字や事例は出典を確認してから使う」「確認できないものは載せない」というルールを明文化しておくと、正確性の懸念に対応できます。

3. 一業務ずつ、使いながら直す

私は最初に全部を作ろうとして止まりました。組織でも同じで、全部門に一斉展開するより、一つの業務で「AIに任せる部分」を試し、不便を直しながら広げるほうが定着しやすいと感じています。

自社に当てはめるための3つの判断基準

ここまでの注意点を踏まえ、事例を見た後に「うちでもできるか」を判断するための基準を、私の経験から3つに絞ります。

  1. 業務を言葉で分解できるか。AIに頼むには、業務を「何を、どの順で、どんな条件で」と説明できる必要があります。説明できない業務は、まずそこから始めることになります。
  2. やり直しが利く作業か。コードや文章の下書きは、間違っていても直せます。一方、顧客への送信や契約の判断はやり直しが利きません。やり直しが利く作業からAIに任せるのが安全です。
  3. 確認する人がいるか。AIの出力を確認せずに公開する運用は、私はしていません。確認役が置けない業務は、効率化の対象から外すか、後に回します。

この3つに照らして「当てはまる業務がある」と思えたら、その一業務から試す価値はあります。どれにも当てはまらない場合は、業務の整理を先に進めたほうが結果的に早いことが多いです。

ご相談でよく聞くのは「ツールは入れたが、何に使えばいいか分からない」という声です。私は、ツール選びより「どの業務の、どの部分を任せるか」の整理を先にすることをおすすめしています。整理の相談だけでも30分の無料相談で受け付けていますし、継続的に伴走する場合は月1回のオンラインMTGで月5万円(税別)からのAI顧問という形も用意しています。

まとめ

  • 帝国データバンクの調査では、生成AIを活用する企業の9割近くが効果を実感する一方、使いこなし格差と情報の正確性が課題とされています。
  • 私はBizExpo.jp(月間PV5,000超)と自社の業務システムを、コードを書かずにAIで1人で運営しています。
  • AIに任せられたのは「作る・まとめる・下書きする」、私に残ったのは「決める・確かめる・出す」でした。
  • 一画面・一機能ずつ頼み、不便はその日のうちに直す運用が、非エンジニアの私には合っていました。
  • 組織に広げるときは、任せる範囲の線引き、数字と情報の扱いのルール、一業務ずつの展開を先に決めることが大切です。

よくある質問

AIによる業務効率化の事例は、エンジニアがいない会社でも再現できますか?

私自身がプログラミングに挫折してきた非エンジニアで、コードを書かずに日本語で頼む方法だけで運営しています。ただし「何を作るか」「何をやらないか」を決める部分は人の仕事として残るため、業務を分解して言葉にできることが前提になります。

AIに任せる業務と、人が判断すべき業務はどう分けますか?

私の場合は「作る・まとめる・下書きする」をAIに任せ、「何を作るか・公開してよいか・数字を載せてよいか」を自分で判断しています。やり直しが利く作業はAIに、取り返しがつかない判断は人に、という線引きが目安になります。

AI業務効率化で、まず何から手を付けるとよいですか?

最初から全部を変えようとせず、一業務・一画面分だけ切り出すことをおすすめします。私は最初に全部を作ろうとして止まり、一画面ずつに切り替えてから進みました。使いながら不便を見つけて直す形が、小規模組織には合いやすいと感じています。

1人で成果が出たことを、会社全体に広げるときの注意点は?

帝国データバンクの調査では、活用企業の9割近くが効果を実感する一方、従業員間の使いこなし格差が課題とされています。個人の工夫で終わらせないために、AIの出力を人が確認する手順と、数字や情報を公開する際のルールを先に決めておくことが大切です。

AI業務効率化の効果は、どのように測ればよいですか?

私は削減率のような推定値を出さず、GA4などで実際に計測できた数値だけを切り捨てで使うルールにしています。効果の測り方は業務によって異なるため、導入前に「何が見えれば効果と呼ぶか」を一つ決めてから始めると判断しやすくなります。

参考

この記事の内容を、御社の仕事で。

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この記事を書いた人

ITなんでも相談室 運営者

大手企業での営業、ベンチャーでの0→100億の営業・企画、0→10億の新規事業の立ち上げ・運営を経験。現在は展示会ポータル BizExpo.jp を1人で立ち上げ・運営しています(AI・Claude・Codex も日常的に使用)。記事は、自分の事業で実際に試したことをもとに書いています。

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