本文へ移動

AI導入の進め方約11分で読めます

AI導入は何から始める?中小企業の最初の一歩と30日プラン

AI導入を中小企業で進めたいが何から始めればいいか分からない方へ。方針未決定が5割という調査を踏まえ、非エンジニアの私が2026年7月にAIだけで展示会ポータルを作ったときの順番と失敗、最初の30日の進め方を週ごとの表で解説します。

AI導入は、ツール選びや全社計画から始めるのではなく、「困っている業務を1つ選び、決裁者本人が30日間使ってみる」ことから始めるのが現実的です。私はプログラミングに挫折し続けてきた非エンジニアですが、2026年7月にAIだけで自社の業務システムと展示会ポータルを作りました。進み始めたのは「一画面・一機能ずつ」に切り替えてからで、最初から全部を作ろうとしたときは止まりました。この記事では、調査データで「止まる理由」を確かめたうえで、私が実際に取った順番と、最初の30日の進め方を週ごとの表で示します。

この記事は、従業員5〜100名規模の会社で「AIを入れたいが、何から手を付ければいいか分からない」と感じている経営者・事業責任者の方に向けて書いています。

「何から始めればいいか分からない」が最大の壁という調査結果

まず、止まっているのは自社だけではない、という事実から確認します。

調査 主な結果
帝国データバンク(2026年5月発表、全国23,349社対象・10,312社回答) 業務で生成AIを活用している企業は34.5%。大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%
東京商工リサーチ(2025年8月) 生成AIについて「方針は決めていない」が50.9%で最多。専門人材不足が導入の妨げ
Leach「中小企業AI導入実態調査2026」 導入率12%。最大の障壁は「何から始めればいいか分からない」62%(支援先40社超を対象にした限定的な調査)

生成AIとは、文章や画像を作り出すAIのことです。帝国データバンクの数字を見ると、中小企業で業務に使っているのは3社に1社ほどです。東京商工リサーチでは半数が「方針を決めていない」と答えています。Leachの調査は対象が限られますが、障壁の中身として「何から始めればいいか分からない」が6割を超えて最多でした。

つまり多くの会社は、ツールの性能や費用を比較する手前、入口の段階で止まっています。

私も同じでした。AIが便利らしいことは知っていましたが、「何に使うか」を決めきれない期間がありました。あとで振り返ると、AIに任せられたのは「作る」ことで、「何を作るか・何をやらないか」を決めるのが一番の本丸でした。ここを飛ばしてツールの話から入ると、デモは面白いのに仕事は変わらない、という状態になりやすいと感じています。

AI導入が進まない理由は「ツール」ではなく「順番」

もう2つ、調査を見ます。

  • 情報通信総合研究所(2025年9月): 中小企業は「効果が見えにくい」「導入コスト・運用負担が大きい」と感じ、「用途がない」として見送るケースが目立つ。
  • ラクスル調査(2026年7月23日、従業員2〜100名の中小企業300名): 中小企業のAI活用は「個人の業務効率化」にとどまる。

この2つを並べると、順番の問題が見えてきます。「用途がない」と感じるのは、用途を探す前にツールの機能から入っているからです。「個人の効率化にとどまる」のは、1人が使って終わり、業務に組み込む次の一歩が設計されていないからです。

私の場合は、順番を「業務を1つ決める → その一部をAIにやらせる → 使いながら直す」に固定してから進むようになりました。逆に「AIで何ができるか」から考えていた時期は、やれることが多すぎて何も決まりませんでした。ご相談でも「ツールは契約したが、誰も使っていない」という話をよく聞きます。これも順番が逆になっている典型だと思います。

私がBizExpo.jpをゼロから始めたときに取った順番

ここからは体験談です。私は2026年7月5日に、展示会ポータル「BizExpo.jp」の開発を始めました。企画・開発・運営を1人で行い、作業はAI(Claude・Codex)に頼んでいます。自分ではコードを書きません。「日本語で正しく頼む」ことだけで作っています。

約3か月後、2026年9月8日〜10月7日の直近30日の実測(GA4、Googleのアクセス解析ツール)は、表示回数5,952、セッション約3,100、平日1日のセッション約260でした。サイト上では「月間PV 5,000超」と切り捨てて表記しています。仕組みはNext.jsというWebの枠組みで作り、Vercelというサービスで動かしています。非エンジニアが1人で3か月でここまで来た過程は、「何から始めるか」を考える材料になると思い、順番を書きます。

最初から全部を作ろうとして止まった

最初の失敗は、はっきりしています。展示会ポータルの全体像を頭に描いて、「これを作って」とAIに丸ごと頼んだことです。AIはそれなりの答えを返してきますが、私にはそれが正しいのか判断できません。直したい箇所も多すぎて、どこから手を付けるか分からなくなりました。結果として、作業が止まりました。

そこで切り替えたのが「一画面・一機能ずつ」です。「ポータルを作って」ではなく、「この画面に、この項目を、この並びで表示して」と頼みます。1画面できたら自分で触り、不便を見つけたら、その日のうちにAIに直させます。これを繰り返しました。この切り替えが、止まっていた作業を動かした一番大きな要因です。

【要確認:BizExpo.jpで最初に作った「1画面」が何だったか、本人の実体験を追記】

一番心細かったのは環境準備

意外かもしれませんが、AIに頼む段階より、その前の環境準備が一番心細かったです。ターミナルと呼ばれる文字だけの黒い画面、ツールのインストール、各種アカウントの設定。「AIがやってくれるはず」と思っていた期待と、自分の手で設定しなければ始まらない現実との落差が、ここで一番大きく出ました。

逆に言えば、ここを越えると後は日本語で頼めるので、気持ちはかなり楽になります。だから後述する30日プランでは、第1週をまるごと「環境を整えて触る」ことに使います。

専門用語の壁は「その言葉を使わずに説明して」で越えた

AIの回答には専門用語が多く出てきます。意味が分からず止まったことが何度もありました。そのとき効いたのが、「その言葉を使わずに説明して」と頼み直すことです。それだけで、止まらずに先に進めるようになりました。非エンジニアがAI導入を進めるうえで、この一言はツール選びより大事だと今でも思っています。

出力は毎回自分で確認してから出す

AIが作ったものは、公開前に毎回自分で確認しています。数字や事例はAIが生成したものをそのまま載せず、実測値だけを切り捨てで出すルールにしました。画像の一部はAIで生成し、「AI生成」と明示しています。AIに任せるのは「作る」までで、「出していいか」の判断は自分が持つ。この線引きが、安心して任せ続けるための土台になっています。

AI導入の最初の一歩:ツール選びより先にやる3つのこと

体験を整理すると、ツールを決める前にやることは3つです。

  1. 困っている業務を1つ、紙に書く 条件は3つです。決裁者本人(または自分)がやっている業務であること。週に1回以上発生すること。失敗しても取り返せること。たとえば「会議後の議事録の整理」「問い合わせメールの下書き」などです。
  2. 「やらないこと」を決める 「顧客の個人情報は入れない」「請求書は触らない」など、範囲を狭めます。範囲が狭いほど、心理的な障壁が下がり、社内の説明もしやすくなります。
  3. 決裁者本人が30分触る 担当者に任せると、東京商工リサーチの「方針を決めていない」50.9%の状態がそのまま続きます。経営者や事業責任者が自分で触って手触りを持つことが、方針を決める近道です。

私の場合は、2026年7月に自社用の業務システム(会議管理・顧客管理・タスク管理)を作ったときも、最初にやったのは「何を作るか」を1つに絞ることでした。会議管理、顧客管理、タスク管理を同時に始めたわけではありません。決まってからは「日本語で頼む」だけで進みました。

最初の30日プラン(週ごとの進め方)

上の3つを、30日に割り付けたのが次の表です。1人で、業務の合間にできる分量を前提にしています。

週 テーマ やること 終わったときの状態
第1週 環境を整えて触る 生成AIのアカウントを1つ作る。決裁者本人が毎日15分、メールの下書きや議事録の要約など身近な文章作業を頼んでみる。分からない言葉は「その言葉を使わずに説明して」と聞く 「AIに頼む」ことへの抵抗がなくなる
第2週 業務を1つ選ぶ 困っている業務を1つ書き出し、「やらないこと」を決める。その業務の手順を日本語で箇条書きにする 対象業務と範囲が紙1枚に収まる
第3週 一画面・一機能で試す 選んだ業務の一部だけをAIにやらせる。既存ツールの機能で済むか、仕組み(開発)が要るかを見極める。不便は当日のうちに直す 「うまくいった点・止まった点」が自分の言葉で言える
第4週 振り返りと次の30日 かかった時間、良かった点、止まった点を書き出す。社内に広げる、別の業務に移る、専門家に相談する、のどれにするかを決める 次の30日の方針が決まる

第1週は人によっては不要かもしれません。ただ私自身は環境準備が一番心細かったので、ここに1週間を取ることをおすすめします。第3週で「全部やらせたい」気持ちが出てきたら、私が止まった失敗を思い出してください。一部だけで十分です。

第4週の振り返りは、文章にして残します。次の30日で社内に広げるときに、この文章が説明資料になります。AI活用が「個人の効率化」で止まらないためには、1人の体験を言葉にして渡すことが欠かせません。

30日が終わったあとに考えること

最初の30日が終わると、次の判断が出てきます。それぞれ別の記事で詳しく書いているので、必要なものから読んでください。

  • ツールをどう選ぶか: 第3週で「既存ツールで足りそう」と感じた場合は、AIツールの選び方を参考にしてください。機能比較より先に見るべき点をまとめています。
  • 社内ルールをどう決めるか: 第2週の「やらないこと」を社内に広げるときは、AI利用の社内ルールで、最低限決めておく項目を整理しています。
  • 止まるパターンを避ける: 「全部やろうとして止まった」以外にもつまずき方はあります。AI導入の失敗パターンにまとめました。

開発が要るかどうかについて、一言だけ書きます。私は自社用の業務システムもBizExpo.jpも「作る」側に進みましたが、多くの業務は既存のツールで足ります。最初の30日はツールで試し、足りないと分かってから開発を考える、という順番で問題ありません。

1人で進めるのが不安なときの選択肢

30日プランは1人で進められるように組んでいますが、第2週の「業務を1つに絞る」が一番迷いやすい工程です。私自身も「何を作るか」に一番時間を使いました。ここで誰かと話せると、迷う時間が短くなります。

当サイトのAI顧問は、月1回のオンラインMTGで月5万円(税別)、月4回のオンラインMTGで月20万円(税別)です。AI開発が必要になった場合は別途お見積りです。詳しくは料金をご覧ください。

まず話してみたい方には、30分の無料相談(オンライン)を用意しています。「困っている業務はこれだと思うが、AIで扱えるのか」といった段階の相談で構いません。無料相談からお申し込みください。

まとめ

  • 調査では、中小企業で生成AIを業務に使っているのは3社に1社ほど、半数が方針未決定、最大の障壁は「何から始めればいいか分からない」でした。多くの会社は入口で止まっています。
  • 止まる理由はツールではなく順番です。「業務を1つ決める → 一部をAIにやらせる → 使いながら直す」の順に固定すると進みます。
  • 私はBizExpo.jpを最初から全部作ろうとして止まり、「一画面・一機能ずつ」に切り替えて進みました。一番心細かったのは環境準備で、専門用語は「その言葉を使わずに説明して」で越えました。
  • 最初の30日は、第1週で環境を整えて触る、第2週で業務を1つ選ぶ、第3週で一部だけ試す、第4週で振り返る、という流れが現実的です。
  • ツール選び・社内ルール・開発の要否は、30日の手触りを得てから判断するほうが迷いません。

よくある質問

AI導入は何から始めればいいですか?

困っている業務を1つ選び、決裁者本人が30日間使ってみることから始めるのが現実的です。ツール選びや全社計画は、1つの業務で手触りを得たあとのほうが判断しやすくなります。最初から範囲を広げないことが続けるコツです。

ITに詳しい社員がいなくてもAI導入は進められますか?

私自身がプログラミングに挫折してきた非エンジニアですが、日本語で頼む方法で業務システムとWebサイトを作れました。分からない言葉が出たら「その言葉を使わずに説明して」と聞き直すと、止まらずに先へ進めます。

最初の30日でどこまで進めば十分ですか?

1つの業務でAIを試し、「うまくいった点・止まった点」を自分の言葉で書けていれば十分だと考えます。社内に広げるかどうかは、その実感をもとに2周目の30日で判断するほうが無理がありません。

最初からシステム開発を考えるべきですか?

多くの業務は既存のAIツールで足ります。私は自社用の業務システムを自作しましたが、最初の30日はツールで試し、足りないと分かった段階で開発を検討する順番で問題ありません。開発の前に「何を作るか」を決めることが本丸です。

AI導入にどのくらい費用を見ておくべきですか?

最初の30日は生成AIのアカウント1つで試せるため、大きな費用はかかりません。1人で進めるのが不安で相談相手が必要な場合、当サイトのAI顧問は月1回のオンラインMTGで月5万円(税別)からご利用いただけます。

参考

この記事の内容を、御社の仕事で。

IT顧問、月5万円から。AIも、クラウドも、ホームページも。営業も、新規事業も。

月1回のオンラインMTGで月5万円、月4回で月20万円(税別)。開発・構築は別途お見積り。AIのことも、それ以外のITの困りごとも、まずは無料相談(30分・オンライン)でお聞かせください。

この記事を書いた人

ITなんでも相談室 運営者

大手企業での営業、ベンチャーでの0→100億の営業・企画、0→10億の新規事業の立ち上げ・運営を経験。現在は展示会ポータル BizExpo.jp を1人で立ち上げ・運営しています(AI・Claude・Codex も日常的に使用)。記事は、自分の事業で実際に試したことをもとに書いています。

運営者紹介を見る
無料相談