非エンジニアの私が、AIだけで“実運用の業務システム”を作った話
「AIで業務システムが作れる」と聞いても、多くの方は自分ごとには思えないはずです。私自身がそうでした。プログラミングは学ぼうとするたびに挫折してきた、正真正銘の非エンジニアです。
それでも今、私の手元では、会議管理・顧客管理・タスク管理などを備えたB2Bの業務システムが実際に動いています。コードを書いたのではありません。AIに作らせました。この記事では、その経緯と、やってみて分かったことを正直に書きます。
なぜ自分で作ろうと思ったのか
きっかけは、ありふれた悩みです。
- 既製ツールはどれも、自社の業務の細かいところに合わない
- 外注は高く、納品されたものの中身はブラックボックスで、自分たちで直せない
- かといって、社内にエンジニアはいない
「合わないツールに業務を合わせる」か「高いお金を払って直せないものを持つ」かの二択に見えていたところに、生成AIの進化が重なりました。「AIに作らせれば、自分でも作れるのではないか」——そう考えたのが始まりです。
作ったもの:実運用中のB2B業務システム
作ったのは、日々の事業運営に使う業務システムです。主な機能は次のとおりです。
- 会議管理:予定と議事の流れを一か所で追える
- 顧客管理:顧客ごとの対応状況・進捗を一覧できる
- タスク管理:やること・進行中・完了が誰でも見える
特別に高度なことをしているわけではありません。ただ、自社の業務の流れにぴったり合っていること、そして自分で直せることが決定的に違います。使いながら「ここが不便だ」と思えば、その日のうちにAIに指示して直せます。
どう作ったか:「AIに作らせる」進め方
私がやったことを一言でいえば、コードを書くことではなく、日本語で正しく頼むことでした。進め方はシンプルです。
- 課題を言葉にする:「顧客ごとの対応履歴を一覧で見たい」のように、欲しいものを業務の言葉で書く
- 小さく作らせる:最初から全部ではなく、一画面・一機能から
- 動かして、直させる:実際に触って、気になったところをまたAIに頼む
- 使いながら育てる:業務で使い、困ったら直す。この繰り返し
うまくいかないことも当然あります。ただ、その「うまくいかない」も、エラー文をそのままAIに見せれば、たいてい向こうが解決策を出してくれます。
非エンジニアがつまずいたところ
順風満帆だったわけではないので、つまずきも書いておきます。
- 専門用語の壁:最初は、AIの回答に出てくる用語が分かりませんでした。「その言葉を使わずに説明して」と頼むことで乗り越えました
- 最初の環境準備:ゼロから始める最初の一歩が、いちばん心細い工程でした。ここは経験者が隣にいると数時間で済みます
- 「何を作るか」を決めること:実は技術よりもここが本丸です。業務のどこに効くかを見立てる目は、作りながら養われました
中小企業の皆さんに伝えたいこと
この経験から言えるのは、必要だったのは特別な才能ではなく、正しい頼み方と進め方だったということです。
そしてこれは、エンジニアのいない中小企業にこそ向いている方法だと感じています。自社の業務をいちばん分かっているのは現場の皆さんです。その理解を「AIへの頼み方」に変換できれば、外注に頼らず、自社の道具を自社で持てるようになります。
まずは小さく、一つの業務から。私がつまずいた場所を知っているからこそ、同じ道を歩く方の伴走ができると考えています。